介護業界が「同じ場所」を回り続ける本質とは。── バラバラに見える問題の先に、ひとつの共通点が見えてきた。──

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こんにちは、KAIGO KAKUMEIです。

これまで、人手不足や低賃金、ケアマネージャー不足、シャドウワーク、介護保険制度の膨張、お局問題など、介護業界に存在するさまざまな問題について書いてきました。

一つひとつを見ると、それぞれ違う問題に見えます。

しかし、記事を書き、現場の生の声やSNSで語られる声を見続ける中で、最近ひとつの疑問を持つようになりました。

なぜ、どの問題を掘り下げても、似た場所に戻ってくるのだろうか。

私自身、介護業界に10数年身を置いてきました。介護職員としてだけでなく、管理者・施設長としても現場を経験しています。

今回は個別の問題を取り上げるのではなく、これまで見てきたものを一度並べながら、今の私に介護業界そのものがどう見えているのかについて書いてみようと思います。

バラバラに見える介護業界の問題

介護業界には多くの問題が存在する。

人手不足。低賃金。ケアマネージャー不足。職員の高齢化。シャドウワーク。職場の人間関係。そして、介護保険制度では拾いきれない利用者や家族のニーズ。

ニュースやSNSでは、それぞれが別の問題として語られている。

人が足りなければ採用を強化する。業務負担が大きければICTやAIを導入する。給料が安ければ処遇改善を求める。人間関係に問題があれば研修やマネジメントを見直す。

一つの問題に対して、一つの答えを当てていく。

もちろん、これらの取り組みが間違っているわけではない。実際に必要な対策も多くあり、現場の負担軽減につながっているものもある。

しかし、それぞれの問題を掘り下げていくと、どうしても同じような場所に戻ってくる。

人手不足は、本当に採用だけの問題なのか。

低賃金は、介護報酬を上げるだけで解決するのか。

シャドウワークは、職員の善意や業務整理だけの問題なのか。

職場の人間関係は、問題を起こす職員一人を注意すれば終わる話なのか。

問題は本当に、それぞれ独立して存在しているのだろうか。

なぜ答えはいつも似た場所に戻るのか

人が足りない。だから、人を採用する。

仕事が多い。だから、ICTやAIを導入する。

給料が安い。だから、処遇改善を求める。

介護保険では対応できない。だから、「保険外サービス」を作る。

新しい介護サービスを始める。だから、居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへ営業に行く。

問題は違う。

しかし、答えを探している場所は驚くほど似ている。

介護業界で長く使われてきた方法。過去に誰かが行ってきた方法。介護保険制度の中に存在する選択肢。

問題が起きるたびに、私たちはその中から「今回使えそうな答え」を探しているのではないだろうか。

そして、その答えで解決できなければ、別の答えをまた同じ場所から探す。

介護業界は、介護業界の中にある答えを選び続けている。

最近、そんな風に感じることが増えた。

介護業界の「当たり前」は、本当に当たり前なのか

なぜ、人手不足になると「人を増やす」という発想が最初に出てくるのだろうか。

仕事が増え続けているのに、「仕事を減らす」という議論はなぜ弱いのか。

なぜ、介護サービスの価格を自分たちで決められないことに、これほど慣れてしまっているのか。

なぜ、自費サービスを始めても、営業先として最初に居宅介護支援事業所や地域包括支援センターを選ぶのか。

そもそも、民間が提供する自費サービスを、なぜ介護保険を基準に「介護保険外サービス」と呼ぶのか。

なぜ、「利用者のため」という言葉が使われると、契約や業務の範囲を超えた仕事まで正当化されることがあるのか。

介護業界の中では、どれも珍しい話ではない。むしろ、当たり前として受け入れられていることも多い。

しかし、一度だけ介護業界という前提を外して見たとき、それは本当に当たり前なのだろうか。

長く同じ場所にいると、その場所の常識を疑うことは難しくなる。

いつの間にか「そういうものだから」という言葉で説明を終え、疑問を持つことすらなくなっていく。

介護業界には、長い歴史の中で積み重ねられてきた制度や文化がある。それらすべてを否定する必要はない。

ただ、その積み重ねの中に、今の時代には合わなくなった「当たり前」が混ざっていないかを、一度見直す必要はあるのではないだろうか。

問題が多いのではなく、見ている場所が同じなのかもしれない

人手不足、低賃金、ケアマネージャー不足、シャドウワーク、職場の人間関係。一見すると、まったく違う問題に見える。

しかし、その背景を辿っていくと、似た場所へ戻ってくることがある。

制度への依存。

前例への依存。

職員の善意への依存。

そして、これまで使われてきた方法や既存のルートへの依存。

介護業界には問題が多すぎる。確かにそれも事実だと思う。

しかし、本質は問題の「数」だけではないのかもしれない。

違う問題に対して、同じ場所から答えを探し続けている。

だから一つの問題が少し改善しても、形を変えた別の問題が現れる。そして、また同じ場所から答えを探す。

私には今の介護業界が、同じ場所を何度も回り続けているように見える。

まとめ:一度、自分たちが立っている場所を見る

介護業界には、確かに多くの問題があります。

人手不足も、低賃金も、ケアマネージャー不足も、現場の人間関係も、それぞれ簡単に解決できる問題ではありません。

ICTやAIの導入、処遇改善、採用活動。これらの取り組みを否定するつもりもありません。

しかし、答えを探し続ける前に、一度だけ「自分たちはどこからその問題を見ているのか」に目を向けてもいいのではないでしょうか。

業界の中では当たり前に見えることも、少し違う場所から見れば、まったく違うものに見えることがあります。

これまで正しいと思っていた答えが間違っているのではなく、そもそも答えを探している場所が限られている可能性もあります。

介護業界には、本当に答えがないのでしょうか。

それとも、同じ場所から答えを探し続けているだけなのでしょうか。

私には今の介護業界が、そんな風に見えています。

あとがき

今回は、私に見えている介護業界の姿を書きました。では、なぜそう見えるのか。その「物事の見方」についても、現在少しずつ言語化を進めています。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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