こんにちは、KAIGO KAKUMEIです。
今回は、「介護業界は、同じ条件で戦っていない。」というテーマについて考えてみたいと思います。
介護報酬、人手不足、物価高。介護業界を取り巻く環境は、多くの法人に共通しています。
それにもかかわらず、事業を拡大し続ける法人がある一方で、現状維持にとどまる法人、経営が厳しくなる法人、そして倒産してしまう法人もあります。
その違いは、本当に経営者の能力や資金力だけなのでしょうか。
今回は、私が管理者として現場で感じてきた経験も交えながら、「利用者循環」という視点から、その違いを読み解いていきます。
第1章|利用者循環という視点
介護事業は、利用者を集める競争だと思われがちだ。
しかし、本当に重要なのは「利用者を獲得すること」ではなく、「利用者との関係をどう続けるか」である。
例えば、
- デイサービス
- 訪問介護
- 福祉用具
- 施設入所 etc…
利用者の状態変化に合わせて法人内でサービスがつながれば、利用者との関係は継続する。
私はこの流れを「利用者循環」と呼んでいる。
一方、単体事業しか持たない法人では、サービスが終了した時点で利用者との関係も終わる。
また新たな紹介を待ち、新規利用者を獲得しなければならない。
この違いは、法人経営において決して小さくない。
第2章|紹介を待つ法人。関係をつくる法人。
紹介は大切である。
しかし、紹介だけに依存する経営には限界がある。
私が管理者として働いていた頃も、「次にこの利用者はどんな支援が必要になるのか」という視点を常に意識していた。
デイサービスを利用している方が訪問介護を必要とするかもしれない。
在宅生活が難しくなれば施設入所という選択肢もある。
利用者を紹介してもらうことだけを考えるのではなく、利用者との関係をどう継続できるかを考える。
この発想の違いが、法人の将来を大きく左右すると感じてきた。
第3章|「囲い込み」と「利用者循環」は同じではない。
ここで触れておきたいことがある。
一部では、法人内で利用者を次のサービスへつなぐことを「囲い込み」や「抱え込み」と問題視する声もある。
実際、利用者本人の意思より法人の利益を優先し、選択肢を狭めるような運用があれば、それは適切とは言えない。
しかし、利用者が十分な説明を受け、納得したうえで法人内のサービスを選択することまで否定されるべきではない。
利用者循環と囲い込みは、似ているようで本質が違う。
重要なのは、法人の利益ではなく、利用者にとって最善の選択になっているかどうかである。
第4章|制度だけで戦う時代は終わる。
もちろん、すべての法人が利用者循環を構築できるわけではない。
法人規模や地域性によっては難しい場合もある。
だからこそ次に考えるべきなのは、制度だけに依存し続けるのかという視点である。
介護保険サービスだけで勝負するのか。
それとも介護自費サービスなど、新たな接点を創ろうとしているのか。
以前公開した「介護報酬完全依存からの脱却。介護現場が創る新しいビジネスモデル」でも書いたように、制度だけに依存する経営には限界がある。
利用者循環も、その延長線上にある考え方だ。

まとめ
介護報酬は同じでも、利用者との接点は同じではない。
利用者との関係を循環させる仕組みを持つ法人。
新たな接点を創ろうとする法人。
制度だけに依存し続ける法人。
その違いが、数年後の法人の姿を大きく変えていく。
介護業界は、同じ条件で戦っているようで、実は同じ条件では戦っていない。
あとがき
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回お伝えした「利用者循環」は、事業を増やすことそのものを目的とした考え方ではありません。
今いる利用者との関係をどう育て、どう次の支援へつないでいくか。そして、それが難しいのであれば制度外の新たな価値をどう創り出すか。
これからの介護事業を考えるうえで、一つの視点として参考になれば幸いです。
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